ドラクエビルダーズ評価、感想 ものづくりが純粋に楽しい良作、シナリオの不愉快さが残念

ニンテンドースイッチ版「ドラクエビルダーズ」の評価、感想記事です。

こういった類のゲームを遊ぶのが初めてで、自分のやりたいように町を作ることができる楽しさにハマりました。

一方でシステムやシナリオ面には不満が多くあり、そこで評価が2段階ぐらい下がったのは残念でした。

クリア時間

シナリオクリアまで35時間ほどでした。

全部で章が4つあり、それぞれ8~9時間でクリアしています。平均クリア時間は30~40時間ほどかと思います。

※「フリービルド」という、シナリオが無く自由に町づくりができるモードがありますが自分は未プレイです。ここにハマれば、本当にいくらでも楽しめると思います。

「やりたいように町を作る」ことの楽しさ

本作を語るならまずはここ。

広大なマップから素材をたくさん集めて、レシピを元にモノづくりをして、プレイヤーのやりたいように町を作っていく。

この類のゲームをプレイするのが初めてで、「つくる」ことの楽しさにハマりました。

町として設定されているエリアは最初は広く感じますが、町づくりを進めていくとスペースが足りなくなってきます。「次に作りたいこの設備は、町の中にどう配置しようか?」と考えたりする楽しさもありました。

それ以前に、モンスターが町に入ってこないよう町の周囲にカベを設置していくだけでも、単なる作業ではあるのですが十分に没頭できます。

最後の章では大地全体に呪いがかかっており、聖水を使って浄化しながら進めていくことになります。これはこれで「陣地を広げていく」感覚があり楽しめました。

バトル面の感想

「ドラクエビルダーズ」という名前の通り、スライムやキメラをはじめシリーズおなじみのモンスターと戦うことができます。ドラクエの中でも古い作品から登場しているのが懐かしさを覚えます。

ただバトルのシステム面では、敵に触れるだけでダメージを受けてノックバックする仕様になっておりストレス要素でした。
例えば上記のドラゴンの場合、攻撃後に予備動作無しで方向転換するのですが、それでダメージを受けることが何度もありました。

最もインパクトの強かったのは「ばくだんいわ」。プレイヤーの期待を裏切らず(?)、メガンテを唱えて大爆発を起こしてきます。

吹き出しで「メ」「ガ」「ン」「テ」と1文字ずつ進んでいくのが面白かったです、死にましたけど

シナリオ面の感想

シナリオ面は大変不満。

ストーリーを進める中で、主人公に対し「頼りない顔」「パッとしない顔」といった小バカにするセリフが頻繁に出てきます。序章だけ、とかならともかく終章までずっとです。

(※)むしろ終章が最もひどかった

本作の主人公は「勇者でなない」とゲーム開始早々に言われますし、シナリオとしては意味のあるものかもしれません。もしくはちょっとしたスパイス的な要素として入れたのかもしれません。

とはいえ全編通してこれが続くのは正直不愉快でしたし、ここは失敗点だと思います。


悪い意味でもう1つ印象に残ったのが、終章で戦う「やみのせんし」。非常に後味の悪い内容でした。

コイツの正体は、ドラクエ1にて竜王の「世界の半分をやろう」に対して「はい」と答えてしまった勇者の末路です。
倒したら正気に戻るわけでもなく、イカれた状態のままどこかへ消え去ってしまう展開はもうちょっとどうにかならなかったのかと。

セカイノハンブンという表記は面白かったですけどね…

システム面の感想

システム面は粗削りといいますか、プレイヤーに対する配慮が足りないという感想。町づくりが楽しかっただけに残念でした。

序盤から感じたのが、UIがあまり良くないなーという点。
ものを作るときのキー操作や、「1個だけ作る」or「素材を全て使って作る」の2択で例えば5個作りたいときに面倒であるなど、快適さはイマイチでした。

もう1つはカメラワークの悪さ。洞窟の中で周囲が非常にわかりづらかったです。
設定でカメラ距離を「近」にすれば多少は改善しますが、焼け石に水。洞窟内で敵が襲ってくることもあり、そんなときは何が起きてるのかサッパリ分からないレベルでした。

各章の感想

メルキド編

序盤で困った/やっちまった系のこととしては、

  • 住人がベッドを占拠して自分の寝る場所が無かった
  • 高いところにある宝箱を頑張って取った後に落下死
  • ピラミッドから脱出する際にメッチャ迷った

辺りです。同じ経験をした人も結構いる…はず。

本章でのキーアイテムは「まほうのたま」。大爆発を起こすことができ、鉱物やボス戦で必須のアイテムとなります。

とはいえまほうのたまを持った状態で攻撃を受けると、爆発して大ダメージを受けてしまうようで、それで一撃死してポカーンとなりました。

ボス戦では仲間が消えてしまうとはw

リムルダール編

悲鳴やらゾンビ化やらでトラウマな章。

最初のクエストできずぐすりを作ることになるのですが、素材が見つからず。結局、リリパットの色違いだったかな、敵のドロップできずぐすりをゲットしてクエストクリアとなりました。

同じくクエストで水飲み場の作り方がさっぱり分からず、恥ずかしながら攻略サイト見て理解しました。下記画像の青いブロックから水が出て、それを使うんですね…

しかしひどい表現だw

2章はトラウマイベント満載。とあるシーンでは悲鳴ボイスが突然発生します。
ここまでボイス無しだったため完全に無防備で、心臓が止まるかと思いましたw

本作で唯一のボイスだった気がします

マイラ・ガライヤ編

序盤は食糧が足りない、敵が全般的に強いなど、1,2章に比べて急に難易度が上昇。

しかも仲間の大半があらくれで、敵もボストロールやらギガンテスやらで、コッチも相手もむさくるしい展開が続きます。

一方で「仲間を連れて冒険できる」「大砲やげきとつマシンといった初登場のアイテムでドッカンバッカンできる」という点で楽しい章でもありました。

本章でのキーアイテムは「超げきとつマシン」。…まさかの自動車とはw

最初は操作にとまどいましたが、バッコーンと敵にぶつければ100前後の大ダメージ&ぶっ飛ばし効果があり、慣れたら爽快感があります。

「最強の兵器」とはいったい…

ラダトーム編

今まで以上に「何も無い」状態でのスタートで、最初は物作りすら満足にできないという状況。
ここから素材を集めてできることが少しずつ増えていくのが面白かったです。

何にも作れません

中盤では賢者を探すイベントが発生します。ストーリーの鍵となる人物が実は既出のキャラだった、という展開。
ベタですが王道で良いと思います。

その際に攻略するエリアには見覚えのある敵や地形が出てきて、「ああそういえば1章はこんな感じだったなあ」と懐かしくなります

ラスボスはドラクエ1と同じく竜王。第一形態を倒した際、演出も何もなく瞬時に暗転してバトルが終わるのは不満点でした。ちょっと演出に手を抜きすぎでは。

まとめ

素材を集めて、ものづくりをして、街を作って…という流れが純粋に楽しく、ゲーム自体はかなり面白かったです。

一方でUIの粗削り感とシナリオ/テキスト面の不愉快さが残念でした。とはいえUIは「プレイしてれば慣れる」ものですし、シナリオもそこを推しにしているゲームでもありません。

「ドラクエの世界観で自由に町を作ってみたい」という方にはきっと楽しめるゲームです。

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