ドラクエ8はこれまで未プレイで、3DS版のリメイクにて初めて遊んでみました。
キャラクターがリアルな頭身になった最初のドラクエですが、ドラクエらしさは変わっておらず安心して楽しめる作品でした。
ただ面白かったものの、操作性が非常に悪くて何度もプレイする気にはなれないのが残念でしたね。
もくじ
プレイ時間
エンディングや裏ボスクリアまでのプレイ時間は以下でした。
通常エンディング:35:30
竜の試練クリア :45:09
追憶の迷宮クリア:54:37
ドラクエ7ほどは長くなくちょうど良い一方で、戦闘テンポの悪さや移動に時間がかかる(マップの広さと移動速度がつりあっていない)のを考えると、ボリューム自体は5,6辺りより少ない感じもします。
魅力あふれるキャラクターたち
本作を語るならまずはここ。
リアル頭身になったことで表情や体の動きが表現されるようになり、キャラクターの感情がはっきりと見えるようになりました。それによって味方も敵もみな魅力満載で、プレイして楽しいシナリオでした。
これまでのドラクエは、聖人君子とまでは言わずとも毒がない仲間がほとんどでした。まあ7のマリベルはおいといて…。
本作はみんなクセがある仲間で面白いですね、キャラの感情を豊かに表現できるようになったからだと思います。
3DS版にて追加されたボイスについて、どの声優さんもいい演技で満足です。賛否両論あるでしょうが、声ありリメイクとして成功でした。
特にドルマゲスが素晴らしい演技で、狂人っぷりがこれ以上なく表現されていました。
3DS版にて新たに仲間になるモリーとゲルダ。メインシナリオで変にでしゃばるわけでもなく、「なかま」コマンドでのテキストも純粋に増えますし、特に悪くなかったという感想です。
ただ戦闘面で、特に裏ダンジョンからこの2人を使うことを前提にしたボスが多いように感じたのは残念。覚える呪文や特技が優秀で、ヤンガス(ククールも少し)の立場が無いなと…
シナリオ面の感想
前述のキャラの魅力もあって良い出来でした、満足です。
特に教会周り、人間の良い面も悪い面も描かれていてドロドロとした人間ドラマが面白かったです。ドラクエはその辺りの描き方いつもうまいんですよね。
「主人公らが行く先々で賢者らが殺されるのを見てるだけ」という批判はまあその通りなんですが、仲間がセリフや行動でシナリオにしっかりと絡んでくるところに面白さがありました。
テキストだけではなく、キャラクターの行動や表情、身振り手振りも含めてストーリーを作り上げています。これはリアル頭身の3Dならではかと。
最も盛り上がったのは煉獄島~マルチェロ戦までの展開。
捕まって脱出して反撃、というベタな展開ですが、大司教が最後にカッコいいところを見せたり、ボス(マルチェロ)が因縁の相手であったりと熱い展開でした。ドラクエで対人ボスって珍しいんですよね。
一方、暗黒城からオーブ集めのシナリオは、よく分からない&蛇足感が強くて不満でした。
暗黒城では主人公らの像や「ぽっと出」の中ボスの存在意義が不明ですし、チビラプソーンともここで戦わせて何がしたかったのか分かりません。
次のオーブ集めはもっとひどかったですね。各地で新たなイベントがあるわけでもなく、町やダンジョンに再訪して光っているところを調べたらオーブ入手、以上! は展開として手抜きです。
ラーミアと絡めてオーブを登場させたのでしょうが、ゲームとしての面白さを無視したダメな展開でした。
エンディングはどれも素晴らしい
ドラクエでは珍しくマルチエンディング制。「珍しい」というより、定義次第では初かも。
ミーティアと逃げる初回エンディング、「まあ、これでよかった」のセリフがとってもジーンときました。
文面だけだと別に大したこと言ってないんですが、何だかホッとした気持ちになります。
これまで長いこと苦労してきて、やっと元の姿に戻れたら自分たち(王と姫)の本位ではない結婚をさせられそうになって、でもギリギリのところで大切なものを守れた、そんな安堵感を感じるセリフです。
そもそも、本作のエンディングってかなり異端なんですよね。まさか味方キャラが騒ぎを起こすとはw
後述のゼシカエンドも含めて、エンディングについてはシリーズで1,2を争うほど好きです。
3DS版で追加されたゼシカエンドも満足です。
最後にリーザスへ戻るときのセリフと表情は素晴らしいの一言。
ゼシカと主人公間の恋愛感情がゲーム内でほとんど描写されないため、取って付けたような展開だという批判もその通りですが、きれいに、爽やかに終わった名エンディングという感想です。
BGMの感想
※3DS版はオーケストラ音源です
BGMはイマイチ記憶に残りませんでした。シリーズではちょうど並ぐらいの評価。
好きな曲は
・船
・中ボス戦
・「急げ!ピンチだ」(途中の打楽器ソロがめっちゃかっこいい)
・ラスボス戦
この辺りですね。
ラスボス戦は秀逸。3のゾーマ戦っぽいのは狙ってるんでしょうね。
敵の恐ろしさではなく、主人公らが強敵に立ち向かう姿を表現しているような楽曲でした。
不満点
とても多いです。
初めてリアル頭身になったことで、その弊害がそのまま現れたような作品でした。
ゲームとしての快適さを求めることを放棄した作品、というのが率直な感想です。
マップが広すぎる
これまでのドラクエとは比較にならないほどマップが広く、移動がストレスでした。
隣の町やダンジョンへ行くのに、過去作だったら世界一周できるのでは、ってぐらい時間がかかります。
最初の町トラペッタで、「えっ、この移動速度でこの広さのマップを周るの?」と軽く絶望しました。
元が古いゲーム(2004年発売)ではあるものの、ダッシュ機能は欲しかったですね…
ルーラした先によっては、そこから船に乗るまでに1分近く歩く必要があるのですが、こんなのゲーム設計としてダメです。
例えば「船に乗って、世界の南の方にある大陸に行こう」とした際に、「ただ近いだけではダメで、船に乗れるまでの距離も考慮してルーラ先を選ぶ」とプレイヤーに考えさせるのは率直におかしいです。
操作性が悪い
UIやモーションなど、操作については逆に良かったところを探すのが難しいレベル。
ドラクエはこの辺のストレスを極力減らそうという努力を毎作感じられるのですが、本作はとても残念な出来でした。
前回選んだコマンドや呪文のカーソル位置について、項目によって記憶したりしなかったりで操作ミスにつながり、非常にストレスを感じました。
おそらくバトルでは記憶をし、フィールドでは記憶しない仕様でしょうか。過去作もこんなもんでしたかね…?
操作レスポンスも微妙に悪く、ボタンを押してから少し遅れて反応する印象です。
例えばツボやタルがずらっと並んでいると、過去作なら「よっしゃ全部割ってやる!」と意気込むのですが、本作はツボ割りのモーションがもっさりしてて、「面倒だ」以外の感想が出てきませんでした。
サザンビーク周辺の展開がただただ不愉快
サザンビーク周辺(主にチャゴス関連)はドラクエシリーズ最低のエリア、展開でした。
だだっ広い城で王子を探したり、アルゴンリザードを何度もおびき寄せたりなど、面倒この上ないです。
シナリオもただ純粋に不愉快でした。ドラクエ6のホルストックを思い出させますが、あちらは試練を通して王子の成長を感じ取れる一方、こちらは終わり方も最悪だったため比較対象にすらなりません。
王子が最低のキャラとして描かれることでエンディングの展開につながるとはいえ、この一連の流れで本作の評価が1段階下がったのも正直なところです。
戦闘面の感想
シリーズ内でも敵の攻撃が激しい作品だった…という印象です。
それもあってピオリムが重要となる珍しい作品でしたね、先行回復ができるかどうかで全滅を避けられる場面が多かったです。
特にボス戦が歯ごたえがあり面白かったです。
3DS版はいくつかのボスが強化されているようで。レティスのメダパニーマ、マルチェロのザラキ、ラプソーンの行動パターンなどなど…
特にマルチェロのザラキはレベルを上げただけでは対応できないため、ヤンガスのメガザルも使っての激戦でした。
とはいえ後半はいてつく波動、おたけび、甘い息などテンションリセット攻撃が多く、数ターンかけたのにムダになって萎えることが多々ありました。「テンションが20上がったらさっさと攻撃する」など駆け引きの要素でもあるんですが…
ラプソーン撃破まで
まさか最初のボスから全滅しかけるとはw
この後オセアーノン、トラップボックス、モグラと全滅スレスレの勝利を続けていきました。
序盤便利だったのでブーメランにスキルを振っていたのですが、これ完全に失敗ですよね…
サザンビークやベルガラックなど、海を渡った辺りでザコ戦が途端にきつくなりしばらく戦闘回避していました。この辺りまでブーメランを使っていたため、決定打に欠けていたのが原因かもなあ、と。
ドルマゲスは上記のレベルで挑戦。第1形態は5回以上挑んで何とか倒したのですが、第2形態の1ターン目で「あ、これレベル低いわやっぱり」と真顔になりました。
ククールがベホマラーを覚えるレベルまで上げて撃破。
レティスは当初レベル35辺りで挑戦、まあ強いわ固いわで歯が立たずw
メタルキング狩りでレベル上げして再挑戦。
さすがに苦戦はしなかったものの、一言で「面倒くさい」ボスでした。メダパニーマとそこからのマヒ化、そしてまばゆい光によってこちらの攻撃が通らないのが面倒くさかったです。
「一閃突き」「まじんぎり」系を使うのが想定解っぽいんですが、確率で命中する特技をボスで使わせるのも何だかなあ…と。しかもスキルポイントで習得するため、覚えていないプレイヤーも少数ながらいるでしょうし。
ドラクエ8を代表するボスですが、自分の評価としては非常に低かったです。
ラプソーンはこのレベルでも1回全滅。
主人公がけんじゃの石、ヤンガスが攻撃、ククールはベホマラー、ゼシカはピオリムフバーハバイキルトで大体安定していたものの、強制睡眠とランダムターゲットの複数回攻撃で何度か崩されました。
3DS版ではだいぶ強化されているようで、ラスボスの名に恥じない強さでした。良ボスだと思います。
竜の試練クリアまで
さすが裏ボスということで、竜神王シリーズはなかなか苦戦。途中からレベル上げをしつつ、攻略サイトを参考にゲルダとモリーを採用して進めていきました。
最後は連戦のためMPギリギリでの撃破。永遠の巨竜がそれまでの竜と強さがそこまで変わらないのが助かりました。
追憶の迷宮クリアまで
いやー、一撃で700ダメージ受けるとか、「これドラクエかよ」って笑いながらプレイしていましたw これまでの裏ボスとは次元が違いますね。
それでも毒やザキ系、ぱふぱふが効いたりと、戦略次第でどうにかなる絶妙なバランスで楽しめました(攻略サイトがっつり見ましたが…)。
とはいえ追憶のドルマゲスは「攻撃回数が多い」「一撃のダメージが尋常ではない」のダブルパンチで、レベル70台では手も足も出ず。さすがに無理だと悟ってLv99まで上げて倒しました。
まとめ
リアル頭身になっても「いつものドラクエ」でした。
キャラクターの魅力が本当に素晴らしく、ボイスも合わさって会話やイベントがとても楽しめました。
その分、操作性の悪さが本当にもったいないです。周回プレイする気が起きないんですよね…
寄り道要素もサザンビークの大臣やラパンハウスなど多そうなものの、いかんせん移動が面倒でモチベが上がらず。
もう少し、ホントもう少しでも操作性が良ければシリーズで1番好きな作品になりえたのですが、残念です。
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