閃の軌跡Ⅳ感想 不満点は多々ありつつも最後はきれいにまとめた良作

クリアしたので感想記事を。最終セーブ時間は79時間弱でした。

シナリオやテンポ感をはじめ不満点は多々ありますが、最後はきれいにまとめてくれました。

本作に限ればギリギリ良作だったと思います。ただ閃Ⅰ~Ⅲが凡作またはそれ未満の出来だったという感想でして、閃シリーズひとまとめで評価すると凡作かなと。新規の方にはオススメできないですね。

以下、エンディングまでのネタバレを含みます。

 

全体の感想


各所レビューで言われているような「テンポ感の悪さ」「テキストの質の低さ」「ワンパターンな展開」などなど…。良かった点と悪かった点を並べると後者が圧倒的に多いゲームです。


ただ最後は本当にキレイにまとめてくれたので、もうそれで十分という気持ちです。軌跡シリーズでここまで大団円なエンディングって中々無かったと思います。

閃Ⅰ~Ⅲまでずっとモヤモヤした終わり方で(Ⅱの後日譚は良かった)、その反動もあってか「やっとハッピーエンドでまとめてくれた、ありがとう」という気持ちです。

一方、「ストーリーRPG」と宣伝しておきながら、シナリオないしテキストの質の低さが批判されていますし、私もそう思います。
とはいえ、根っこのシナリオや世界観などはしっかり練られていると思います。空の軌跡からカウントすると9作目と非常に長いシリーズですが、致命的な設定ミスや矛盾はほとんど無く、そこは素直にすごいなあと。

枝葉の部分といいますか、日常パートやイベント会話など、そっちのテキストのレベルが低いですね。こういった箇所はスキルの低い人が書いているのか、ボリュームが多すぎて推敲できていないのか。まあ…「空零の頃からそんなもんだった」という気もします。

戦闘面の感想

閃Ⅲと比べれば良調整でした。
ただやっぱりオーダーが強すぎるかなと。

通常戦闘


前作はスレッジハンマーゲー、本作はセレブレイトアーツゲー(と防御陣)の印象です。
社長インタビューで「アーツを強めに調整しました」と言っていたのを思い出して、第I部の後半で試してみたらこりゃ強いわ、と。アルティナミュゼをアーツ担当、リィンは前に出してBP稼ぎ担当、という感じで進めていきました。


とはいえ、戦力が揃っていない序盤やゲストメンバーを使うバトルは歯ごたえがありました。
第I部の各編ボス(ルトガーなど)はこちらの戦力もまだ貧弱な上、カウント条件もあってギリギリの戦闘を楽しめました。

ここ、アナライズする余裕ありませんでした

第II部ラストの連戦もキツかったですね。装備変更不可のゲストメンバーが多かったため、シャロンやシャーリィの即死攻撃に結構やられました。


敵のSクラフトの怖さが昔より減ったのは残念です。防御陣があるからというのもありますが、そもそも「まともにくらったらパーティ壊滅」クラスのものが空零に比べて減ったと思います。
また、ほとんどが「高揚→Sクラフト」のパターンのため対策が容易で、「いつ撃ってくるか分からない」ドキドキ感が無くなったかなと。

騎神戦
今回面白かったです、閃Ⅰ,Ⅱの頃に比べて考える要素がずっと多くなったと思います。
…まぁ次回作にはロボット出さないでほしいですがw


いやー、特に金と黒が強かったです。この2戦は難易度が頭ひとつ飛び抜けていると思います。
特に黒は、ミュゼがサポートにまわれないためサフィールレイン(全体回復)が使えないのが厳しかったです。マクバーンアイテムも使ってギリギリ撃破でした。攻撃するスキがほとんど無かったw

シナリオ面の感想

4作も続けないでほしかった、というのが最初に出てくる感想です。

シナリオ面や動作面(モーションなど)、どちらもモッサリしていて無駄に時間がかかったと思います。シナリオをばっさりと半分に、作品数も2作、せめて3作に収めればずっと面白くなったのでは。
前作→今作→次回作みたいに分割すると、キャラクター登場時にイベントなり戦闘なりが毎回発生するため、正直飽き飽きします。


特に第II部のパート1,2,3は退屈でした。「既出のキャラを助けるために」、「同じく既出のキャラとバトルする」というワンパターンな展開が続き、早く新展開にならないかな…とずっと感じていました。


キャラクターが多すぎて、旧7組メンバーはもうそこにいてもいなくても…というのが率直なところ。まあ4作も続いていますし、新7組メンバーもいますし、見せ場が少ないのは仕方が無いかなと思います。碧の軌跡のエリィやティオに似た部分がありますね。


一方、新7の方はキャラがそれぞれ立ってて全員好きでした。新7ぐらいの人数が、シナリオライターの実力的にも「描ききれる」限界なんじゃないでしょうか。
推測ですが、軌跡シリーズのどこかで学園を舞台にしたかったんだろうなーと。定番ですし。
ただ学園だと(空零に比べて)メンバーがある程度多くないと不自然というジレンマがあって、閃シリーズのシナリオはそこが失敗だったのかな、と思います。多すぎて描ききれてないですね…


絆イベントは全体的にひどかったです。女性キャラの恋愛感情を目的に無理やり作った感じがします。
とはいえアルフィンのハート2、ミュゼのハート2、エマのハート1,2は結構好きでした。

一方、男性キャラの絆イベントは評判良いっぽいのですが、イベントポイントが足りなくてあまり見れてなかったり…


そんな感じで不満が多かったんですが、ラスボス前のこのシーンがとても良かった。
「仲間がかけつける」のって定番ネタだとは思うんですが、過去作メンバーや元敵も含めて勢揃いするここは本当に名シーンだったなと…涙腺ダメでした。
ここだけでこれまでの不満が帳消しになった感じです。

レクター、クレアも駆けつけるのは卑怯っすわ…

BGMも合わさって、「ラスボス前の盛り上がり」という点では軌跡シリーズでトップだと思います。

このパーティ編成画面見て、「ああ、これで終わりなんだな…」と。

BGMの感想

相変わらずの良曲揃いだったと思います。

※以降で埋め込みしている動画はファルコムオフィシャルの動画ではありません。ユーザーページもご参照。

対人/章ボス周りで使われたボス曲。イントロが秀逸だと思います。
前作の”STEP AHEAD”と近い感じを受けました。オシャレ系…という表現も変ですが、良い意味で重くなくてノリノリなこの曲好きです。

通常戦闘曲は毎回良い。

ラストの曲。今作で1つ選ぶならやっぱりこれだよなあ、と。
ラスボス前のシーンに感動したのはこのBGMの要素も大きかったです。

ラスボス戦は「強敵に立ち向かう」曲が多いですが、これは「明日を切り開く」イメージの曲だなと感じます。これまでのシナリオに合った最高の曲だと思います。
同じ雰囲気だと閃の軌跡Ⅱが近かったですね。

戦闘曲以外だとアルスターが好きです。

UIやシステム面の感想

前作を踏襲しつつ、改善するところはしっかり改善してきた感じです。ストレスはほとんどありませんでした。
ファストトラベルやメッセージスキップなど、昔に比べて本当に楽になったなと思います。
今回、ファストトラベルでnewのマークが付くのが便利ですね。

毎作品、UIやシステム面のストレスを減らすような改善があると思います。この点は昔から本当にすごいなと思います。

まとめ


「悪かった点の数」>「良かった点の数」なゲームでしたが、ラスボス前の演出やエンディングで「ああ、プレイして良かったな」と。
エンディングでオリビエを軸に持ってきたのは素晴らしかったと思います。空の軌跡から含めて、これまでの軸になるようなキャラでしたし。


閃Ⅲ、Ⅳでは見せ場が少なかったですけど、旧7組メンバーもやっぱり良いですね、好きです。


リィンが笑顔なエンディングがやっと見られました。ホント良かった。

たぶん今後も粗があるシナリオだとは思うんですが、「キメるところはちゃんとキメてくれる」、「最後の最後はハッピーエンドにしてくれる」ってのが今回で改めて分かりましたので、次回作も買うと思います。
要望としては、パーティメンバーはもう少し減らしてください、ですね。

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おまけ


常識人のマクバーンさんめっちゃ好き。